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小さくとも大きな解決を目指す。


皆さんこんにちは、理事の神谷です。

読者の皆様もご存知の通り、現代では生活習慣病を罹患する人が増え、また高齢化に伴う体重や筋力の減少などにより、身体活動の低下を招くフレイルの有症率は65歳以上で11.3%、プレフレイル(56.9%)を含めると68%にもなるという調査結果もあり、それぞれ社会的にも大きな健康課題としても認識されるようになりました。(島田ら、2013年)

人間が年齢を重ねていく過程で、現代社会の生活環境の場合には中年にかけて体重が増えやすく、高齢期になって除脂肪体重が減りやすくなります。

生活習慣病や肥満があり、体重過多の場合には減量が必要になることでしょう。

 

一方で、加齢による筋肉量の減少(フレイル)に対しては、減量はむしろ害になり、除脂肪量の維持もしくは増量が必要になります。

生活習慣病の多くは体重を減らすことによって何らかの改善傾向を示すことが多いですが、それは脂肪量が減ることもそうだし、体重過多が循環器系に及ぼす悪影響が軽減されることが影響しているものと思われます。

フレイルを予防するには、少なくとも筋肉量が減っていくことに対しては抗わなければなりません。

 

これは筋肉量の減少、低体重・低栄養などによって排泄障害や歩行障害などのADLに悪影響を及ぼす可能性があるためです。

このため中年期と高齢期では体を管理する重点ポイントが変化していきます。

中年期では体脂肪が増え過ぎないようにすること、高齢期では低栄養低活動による体重、防衛体力を含む各種の体力の低下を防ぐことが必要です。

高齢期の場合、体脂肪が過度に多い場合は別として、負担を伴う急激かつ無理な減量は、免疫機能など体にとって大切な機能に悪影響を及ぼす可能性があります。

このようなことから、中年期、高齢期それぞれのステージにおいて良好な健康管理、身体管理とはどのようにすればいいのかを考え、具体的な方法を示し、指導を通じて解決していくことが私達トレーナーの今後の大きな仕事の一つであると思います。

これは単純に運動する(させる)ことだけでは解決できない課題でもあります。

適切な栄養、休養の指導と併せて、適度な運動の継続を指導すること。

それは大きな空間で集団ひとくくりの対応や、普遍性の無い偏った理論による指導では成し得ないことかもしれません。

トレーナーの指導が行き届くスモールな事業は、原理原則に基づく解決策を実行しやすい環境にあると言えます。

小さくても大きな解決ができる可能性を秘めた「スモール」。


大きな現状を打破したい方、一緒に取り組みませんか?