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反対側にあるものも見よう。

 

本ブログをご覧の皆様、こんにちは!

理事の神谷です。

 

私が住んでいる東京西多摩地区は、虫の鳴き声や咲く花の移り変わり、日没の時間からも秋に向かって季節が進んでいることを感じます。

 

皆様のお住まいの地域はいかがでしょうか。

 

さて、このコロナ禍で在宅勤務が一段と推奨されるようになりました。

 

先般、私もとある企業様での健康セミナーにお招きいただき、在宅勤務時の健康管理についてお話しして参りました。

 

そこで寄せられたご質問の中に、身体を動かさないことによる弊害かなと感じるものがありました。

 

さて、座業に勤しむことによる身体への悪影響は医学的にも研究が進んでいます。

 

例えば岩切ら(2007、日本人間工学会)は在宅勤務者はオフィス勤務者と比較して、心拍数、身体活動量、交感神経活動が有意に低かったと報告しています。

 

オーストラリアのVeermanらは25歳以上の人において、座りっぱなしでTV1時間見るごとに平均需要が22分短くなることを報告しています。 (Veermanら、Br J Sports Med.2012)

 

他にも認知症の危険因子としての運動不足や、生活習慣病との関係は数々報告されていますし、動かない環境に安住することによる健康に対する悪影響はもっと焦点が当たってもいいと思うのです。

 

この健康を害する可能性のある生活は、例えば生活習慣病への罹患リスク、またその先にある心血管系疾患への罹患リスク、脳血管疾患への罹患リスクを増大させる連鎖が起こります。

 

これらは致死的疾患でもあり、後遺症を残す可能性の高い疾患でもあり、医療費が高額になる疾患でもあります。

 

この半年の間で行われている感染者を減らすための施策、感染症による死亡者を減らす施策はもちろん大事なことだし、それを否定するつもりはありません。

 

その時々で何を優先するかについては、状況によって変化するものでもあります。

 

一方でその反対側にあるもの、その弊害にも目を向ける必要はあるのではないかと思うのです。

 

ここが見落とされている気がしていて、目先のところに影響を受けすぎているのがどうも気になるところです。

 

地域介護予防の再開準備の中でも、これまでの自粛生活の跳ね返りを感じる動きが出つつあります。

 

とは言え、地域の皆様にとって正しく・必要な情報が伝わっているとは感じられませんが、ここには大きなニーズがあるとも感じます。

 

先日、実施させていただいた地域向け健康セミナーでも、皆さん、予防できることはしたいしその方法を知りたがっています。

 

各種の事業継続を安全に行うためにも感染予防策は引き続き必要ですが、健康被害を予防することは私達の大きな仕事だと感じます。

 

今一度、広い角度から元気な体を保つために必要なことを見直して、地域の方々にお伝えしていけたらと思います。