スモールジムの辰田です。
本日は東京で新規事業の打合せでした。またひとつスモールジムが新たな形を世に送り出せると思います。
早くリリースできるように細部を詰めていきます。
さて、スポーツクラブ業界はコロナ禍で事業環境が一変しました。ここ最近もM &Aの話題に事欠きません。大阪ガス、日立製作所、ブリヂストンなど名だたる大手企業の傘下のフィットネス関連企業が売却されています。
こうやって産業全体が新陳代謝を繰り返していくのでしょう。普通は新陳代謝を繰り返すことで進化して成長していくものですがフィットネス業界はそれがあまり当てはまりませんね。全体としては箱物ビジネス要素が強いので仕方ない側面もありますがそれは割愛します。
この業界で2年間起き続けている現象は入会者の減少、退会者・休会者の増加や若手従業員の相次ぐ離脱や退職です。
一言で言えば経営基盤が大きく揺らいでいます。外的要因をきっかけに内的要因が思わぬタイミングで炙り出された形です。
いつかくる道だったとはいえ、ここまで急激に経営環境が変わってしまうことはかつてなかったことでしょう。
だからこそこの2年間は本物の経営力が試されました。いち早く危機を察知してこれから起こる事実を予想して、明確な対策を立てて従業員にその戦略戦術を示して一同で乗り切るという覚悟のもと楽観的に実行を重ねる。
これしか手段はありませんでした。しかしこれをやってこなかった、できなかった企業がなんと多かったことでしょう。
個人的には経営史に残る研究題材として後世までMBAの研究テーマに使われると思います。
僕知る限りかつて、これほど経営者の意思決定や行動そのものが業績や組織や人に影響を及ぼしたことはなかったのではないでしょうか。
このまま続けても先が見えない。コロナ用に調達した資金が尽きるのも時間の問題。それまでに劇的に業績が改善するとも思えない。。
廃業するか、売却するか、この二択を迫られている企業の数は計り知れません。
僕自身すでに何度かそのような相談を受けています。共通しているのは廃業寸前まで追い込まれていても、なかなかこれまでのスタイルから脱却できなかったというものが大半です。
お話を聞いていても改善のためにやれることはたくさんありました。しかし取り組んでこなかった、ここまでの状態になると思っていなかった、という回答が多いのが現実です。
企業再生とは難しいものです。どんな絵を描いてもその通り進むものでもありません。ましてやこのコロナ禍の甚大な影響。
どうしてこの2年で何も取り組んでこなかったのだろうか?
2年前から始めていれば今ごろ一定の成果も出ていただろうに。。
今からやっても資金的にタイムリミットだろう。。
と、周囲が言うのは簡単です。
当事者たちはありとあらゆる環境下や制約下で日々の業務を行っています。目の前の危機という現実を直視することができないのがむしろ普通だと思います。
慧眼を持って常に先まで見通してどんな危機も回避して安定的に成長を続ける。
そんなスーパーマン経営者ばかりだったらきっとフィットネス業界はこんな状態になっていません。
これからのスモールジム本部のお仕事はそのような企業にも寄り添い伴走しながら最悪な結末を迎えないようにエールを送ることも大切な役割になってくるでしょう。
これもお世話になっている大好きな業界のため、少しでもお役に立てるのであれば嬉しい限りです。
それではまた来週。